国際フォーカシング研究所(TIFI)日本語ページへようこそ
Welcome to the International Focusing Institute Japanese page
フォーカシングは,私たちに今起こっている状況にちょっと一息,間をとって,新しい進展の起こる可能性を切り開く開かれる空間を作る方法を教えてくれます。この実践は,暗黙の哲学から発展したものです。この実践を通して私たちは,まだことばになっていないが,直接体感している何か,に注意を向ける方法を学びます。
からだは,状況について,意識しているより,ずっと多くを知っています。例えば,他の人のことについて,からだは,意識的に知っていること以上に,たくさんのことをとらえています。すこし練習をすれば,どんな状況であれ,そこで起こっていることについて,この「より以上」をからだで感じとることができるようになります。フォーカシング研究所は,このからだが知っていることをとらえるための多くの情報を提供しています。今までに 工夫されてきた教示も載っています。このウェブサイトは,フォーカシング初心者が最初のきっかけを探すのにも役立ちますし,図書館もあります。子どもたちとフォーカシングの部門もありますし,熟練フォーカサーのための情報源もあります。
フォーカシングは,たくさんの実証的な研究の積み重ねによって支持されています。最初は,シカゴ大学でジーン・ジェンドリンと同僚たちによって行われたものですが,今は国際的に研究が行われています。フォーカシングを学ぶには,『フォーカシング』の本を読むのもいいでしょう。認定フォーカシングトレーナーから個別に学ぶこともできます。オンラインで教えてくれる人もいます。1時間あるいは何時間かフォーカシングのトレーニングを受けることができます。このサイトのリストを使えば,お近くの同じ言語を話すフォーカシング指向セラピストを見つけることもできます。フォーカシング研究所は,世界中の様々なコミュニティによい変化をもたらしています。
* この日本語ページの内容はTIFIウェブサイトの一部がボランティアの手で翻訳されたものです。専門的に見れば的確でない訳出もあるかもしれませんが、ご了承ください。
* 掲載には日本フォーカシング協会国際交流グループが協力しています。
翻訳済みテキストは
以下のリンクから↓ (Translated texts are available from the links below)
クライエントのクライエント
Client's Client
オイゲン・ゲンデリン(ユージン・ジェンドリン) 死亡記事
EUGEN(E) GEND(E)LIN OBITUARY
オイゲン・ゲンデリン(ユージン・ジェンドリン)
EUGEN(E) GEND(E)LIN
からだは内側から語る
Focusing: The body speaks from the inside
体験的応答
The Experiential Response
フォーカシングの手引き
The Focusing Manual
人格変化の一理論
A Theory of Personality Change
一人称科学の提唱
Proposal for an International Group for a First Person Science
交差と浸ること
Crossing and Dipping
哲学への序説
Introduction to Philosophy
フォーカシングとスピリチュアリティ(エルフィー・ヒンターコプフ)
変化はいかに起きるか:全体的(wholeness)な成長としてか、嗜癖的反応としてか
How Change Can Happen: Growth toward Wholeness or Addictive Response
ホールボディ・フォーカシング--- グラウンディド・プレゼンスにいること
WholeBody Focusing --- Being in Grounded Presence
フォーカシングを伝えるワークショップは、どのように教えたらよいか
How to teach a workshop in focusing.
FOLIO(フォーカシングと体験過程療法のための学術誌)からの記事
ニュースレターは、ニュースフィードに変わりました。ニュースフィードの記事の一部は日本語に翻訳されています。
ニュースフィードはこちらでご覧いただけますので、記事に日本語訳があるかどうかをご確認ください。
https://focusing.org/news-feed
フォーカシングとは? (What is Focusing?)
フォーカシングはからだの知恵に直接近づく方法です。
トレーニングによって、具体的に現れるからだの知恵への入り口を見つけることができます。この入り口を見つけると、十分長い時間それと付き合うことができるようになり、その後この深いレベルに達することができれば、多くの様々なことを行うことができるのです。
今日人々はこのからだの持つ資源から、程度は様々ながら離れて生きています
私たちは十分工夫を重ね、効果も検証された方法を提供します。からだで感じる知識と、そこから生まれる変化や解決のステップに、直接触れていくための方法です。
あなたがこのより深いレベルに至った時、そこにとどまるための練習が必要です。 いくつかの段階がおきるには時間が必要ですが、 困難なことに、ほとんど人々は、次の段階が訪れるまでに必要な時間、その状況のからだの感覚を持ち続けることができません。 私たちは、どうすればできるようになるか、あなたが学ぶことを助けることができます。
曖昧なフェルトセンスは、複雑に絡み合った精細な部分の集まった全体の領域に通じているのです。そしてそこから驚くべき変化の段階が訪れるのです。
あなたは自分自身を確かめてみることができます。下記の文章で、私たちが語っていることがどこでわからなくなるかに気づいてください。私たちはそこからさらに先にあなたを導くことができます。
あなたはからだに注意を向ける感覚を持っています。自分が誰かということも、どのような経緯でこのページを読むようになったかという事も、あなたは知っています。このことを知るためにあなたは考える必要はありません。知恵は、あなたのからだの中で身体的に感じられ、簡単に見つけられるのです。しかしこのからだの知恵はさらに深いところまで深まることができます。いかなる問題や状況に関しても、あなたはより深いからだのフェルトセンスに達する方法を学ぶことができます。あなたのからだは、あなたのおかれている個々の状況の全体像を"知って"います。また、あなたが頭で考えながらひとつひとつ列挙するよりも、からだはその全体像の広く多くの状況の局面を"知って"いるのです。
あなたは、あなたの考え、記憶、なじんだ感じの元に、あなたの生きているからだを直接に感じることができます。フォーカシングはあなたの感情よりもより深いレベルで起こります。そこでは、あなたは身体的に感じられる"あいまいな部分"を見つけることができます。それはそこに具体的に存在しています。これが新たな段階が起こる源になるのです。
最初は、このあいまいな"何か"はわかりにくいように思えるかもしれません。そこに確実にあるにもかかわらず、そこにあるという確信はないように思えるかもしれません。からだに注意を向ける方法を教わると、それは開きます。どのようにその状況が変化するかを感じとって下さい。新たな行動の可能性がすでに与えられている選択肢を超えて現れます。全体の光景が変わり、要素、出来事、条件そして新しい疑問などの複雑な領域が現れます。初めはかすかな身体感覚があっただけの場所に。
トレーニングの内容 (How to do Focusing)
- からだに感じられる"はっきりしない辺縁"を見つける方法。
- 数秒で消えてしまわないように身体感覚を安定させる方法。
- いったんその辺縁で留まることができるようになった後、行うこと。あなたが多くのことを行うことができる新しい種類のスペースが生まれます。
『フォーカシング』 は、あなたがフォーカシングを始められるようにフォーカシングの6つの段階について述べています。そして、誰もがプロセスを学ぶ時にぶつかる困難な問題に対しての対処法を教えてくれています。
フォーカシング パートナーシップ (Focusing partnerships)
(2022年4月に記載を新しくしました)
一人でフォーカシングを行うこともできますが、誰かと一緒に行うとより簡単にまたより深いフォーカシングができます。国際フォーカシング研究所のパートナーシップ・ネットワークは、参加資格を持つメンバーが、フォーカシング・パートナーを探している他のフォーカサーとつながる場所を提供します。国際フォーカシング研究所のパートナーシップ・ネットワークについてはこちらを参照してください。
* 日本では、TIFI(国際フォーカシング研究所)のネットワークとはまた別の、独自のフォーカシング・コミュニティのつながりがあります。
日本でのフォーカシングの学びの機会やつながりを探すには、日本のフォーカシング愛好家の集まりである日本フォーカシング協会のウェブサイトもご参照ください。
* 日本のTIFI認定フォーカシング・プロフェッショナルを探すには、TIFIの検索ページをご利用ください。また、日本フォーカシングプロフェッショナル会のウェブサイトもあります。
フォーカシング指向心理療法 (Focusing-Oriented Psychotherapy)
リストの中からあなたの使っている言葉を話す フォーカシング指向セラピスト(FOT)を見つける ことができます。
フォーカシング指向心理療法は、人々がセッション中にフォーカスすると心理療法がよりよい結果を生むという多くの 研究結果 により裏付けられています。 アメリカ心理学協会はジェントリン博士と フォーカシング研究所に3つの賞を与え公認しています。 心理療法セクションには、多くのフォーカシング指向心理療法についての多くの専門的な論文およびフォーカシング指向心理療法の本からの引用文献があります。
暗在性哲学 (The philosophy of implicit)
生きているからだは、進化、文化、言語がすでに構築したものを超えて、常に進んでいます。
"暗在性哲学"(言葉になる以前の何かに関する哲学)は ポストモダニズムの後に生まれ、現在の行き詰まりの状態からさらに進展しています。 "客観主義者"は、人間の体験は脳の構造、脳内の化学作用とそれに対抗する作用から発した幻想であると考え、また"相対主義者"は、人間の体験は多くの文化、歴史、言語のひとつの所産に過ぎないと主張していますが、これらの考えは今や袋小路に入っているのです。
暗在性哲学は、物理学、生物学に新しい概念をもたらし、人間のからだを今までとは別の見方から理解しています。あなたのからだは機械ではなく、それどころか、あなたの周りのすべてのものとすばらしい複雑な交流を行うことができます。だからこそ、存在するだけでからだがこれほど多くのことを知っているのです。動物は文化や言葉なしに複雑に相互に関係しながら生きています。異なる文化は、私たちを創造するのではなく、少しの差異を加えているにすぎません。からだはいつも少し先の段階をおおまかに感知し、探索しています。 あなたの進行中の人生は新しい進化を起こし歴史を作っているのです?今。
辺縁で考える(Thinking at the Edge)
辺縁で考える (TAE), は フォーカシングと同様に,暗在性哲学から発展した実践方法です。
これは、言葉の新しい使用法を展開させる実際的な一連のステップであり、その人が知っているけれども言葉にして話したり書いたりできないその人の場の中にある何かから言葉にしていく新しい形式の理論です。この方法では、現在の観点に合っているものを言葉にできるというよりも、ある場の中にある基本的な語句や経験を再構築する何かを言語化します。
現在の科学、社会的信念および人間の関係は個人の体験の複雑さを排除しようとしています。TAEは私たちの世界や私たち自身について"フェルトセンス"から生まれた言葉を使って考えたり話したりする方法です。私たちが考えるすべてのことを外面的に分かっている対象物に置き変えるのではなく、フェルトセンスから生れた言葉が体験の複雑さを明確に表現します。 体験から直接に生まれる言語や概念は、それ以外の方法で表現できない体験の局面を明確に語ることができるのです。
フェルトコミュニティ(Felt Community)
"自分たち自身や他の人と共に居る方法が、私自身に対するもっとも良い感覚を縮小するのではなく、広げる、そういう方法をとっているグループに所属していると、私は、今までの人生で初めて感じています。さらにどんどん多くの人々がフォーカシングパートナーシップを発展させ、世界中にバーチャルフェルトコミュニティを作っています。"
私たちをかつて結び付けていた文化的な慣例や役割は現在では十分ではありません。私たちは一日中自分を革新し、女性として、男性として、妻として、親として、教師として、管理職として、老人として、若者としている新しい方法を見つけなければなりません。私たちの密接な関係はばらばらになろうとしています。"誰も私に合う人はいないみたい"と人々は言います。誰もが複雑な内面に孤独でいます。現代の都会的な社会は細分化されています。
私たちの多様な文化や共通の言葉の定義よりも、フォーカシングを使うことによって、私たちは人間のからだははるかにすばらしく整えられることを私たちは知っています。普通の感情や、気持ち、記憶、イメージ、知覚、思考の陰に、直接に感じられる曖昧な部分があります。その部分が開くとき、私たちも他の人々も、豊かであり、複雑であり、心地よく整えられ、常に新たに生まれてくる可能性を内包していることに気づきます。
推定100万人の人々がフォーカシングを練習しています。ディスカッションリストに登録したり、ボランティアでともに働いたり、フォーカシングパートナーになることで、地域差の感覚のないコミュニティに参加してくださることを歓迎します。
フォーカシング研究所はNPOとして1986年に設立されました。教えること、研究、書物を通して、一般の人々及び全世界の学術的なコミュニティがフォーカシングを使えるように助けることを目的としています。
ジェンドリン博士を訪ねたときの回想
An Interview with Gene by Hideo Tanaka
(Japanese version here)
【翻訳 内山民子(2022年4月に一部を久羽康が修正)】